
職場でPMSを抱える女性が増えています
近年、女性の就業率は上昇し、多くの企業で女性社員が活躍しています。
一方で、PMSや月経困難症など女性特有の健康課題については、まだ十分な理解が浸透しているとは言えません。
厚生労働省の調査でも、月経に伴う症状によって仕事や日常生活に支障を感じる女性は少なくないことが報告されています。しかし、
- 「周囲に相談しづらい」
- 「甘えていると思われそう」
- 「評価が下がるのではないか」
という不安から、一人で抱え込んでしまうケースも少なくありません。
PMSへの理解不足は本人だけでなく企業にとっても大きな損失になります。
PMSによる企業への影響
PMSは個人の問題ではありません。企業にとっても重要な健康経営課題です。
生産性低下
集中力や判断力が低下することで
- 入力ミス
- 判断ミス
- 作業効率低下
が起こります。
プレゼンティーズム
プレゼンティーズムとは、「出勤しているが本来の能力を発揮できていない状態」を指します。
PMSは代表的なプレゼンティーズムの原因の一つとされています。欠勤よりも見えにくく、企業の生産性に大きな影響を与えます。
離職リスク
症状が重い場合、
- キャリア継続への不安
- 人間関係の悪化
- 評価への不満
から離職につながることがあります。
特に管理職候補や中堅社員の離職は企業にとって大きな損失です。
管理職が知っておくべきポイント
管理職には医学的知識は必要ありません。しかし、「理解する姿勢」は非常に重要です。
NG対応
- 気の持ちようだ
- みんな我慢している
- 若いから大丈夫
このような発言は信頼関係を損ねます。
良い対応
- 体調は大丈夫ですか
- 業務量を調整しましょうか
- 必要なら相談窓口を紹介します
まずは話を聞くことが重要です。
企業ができる具体的支援策
① 女性健康セミナー
まず必要なのは正しい知識です。PMSについて誤解している人は少なくありません。
社内研修を実施することで
- 女性社員
- 管理職
- 男性社員
全員の理解向上につながります。
② 相談窓口の設置
相談先があるだけでも安心感は大きく変わります。例えば、
- 産業医
- 保健師
- 人事担当者
- 外部相談窓口
などです。
③ 柔軟な働き方
症状が強い日は
- 在宅勤務
- 時差出勤
- 時間単位休暇
などが有効です。
働き方の選択肢があることで症状による負担を軽減できます。
④ 婦人科受診支援
企業が受診を推奨することも重要です。
PMSは治療可能な疾患です。婦人科受診を促すことで
- 症状改善
- 生産性向上
- 離職防止
につながります。
生理休暇について
労働基準法第68条では、生理日の就業が著しく困難な女性から請求があった場合、使用者は就業させてはならないと定められています。これが生理休暇です。
ただし、
- 取得しづらい
- 周囲の理解不足
などの課題もあります。
制度を作るだけではなく、利用しやすい職場風土づくりが重要です。
産業医が果たす役割
PMS対策において産業医は重要な役割を担います。
個別相談
症状の内容を確認し、
- 婦人科受診
- 生活改善
- 業務調整
などを助言します。
人事への助言
本人同意のもと、企業へ配慮事項を提案します。例えば
- 残業制限
- 業務量調整
- 配置配慮
などです。
管理職教育
管理職向け研修を実施し、女性健康課題への理解を促進します。
女性産業医の活用メリット
PMSや月経の悩みは非常にデリケートです。そのため、女性産業医への相談を希望する方も少なくありません。
女性産業医には
- 相談しやすい
- 共感を得やすい
- 早期相談につながる
というメリットがあります。
健康経営とPMS対策
健康経営とは、従業員の健康を経営課題として捉える考え方です。
近年は女性特有の健康課題への対応も重要視されています。
PMS対策を実施することで
- エンゲージメント向上
- 生産性向上
- 採用力向上
- 離職防止
が期待できます。
PMSのFAQ
PMSは病気ですか?
病気というより症候群ですが、治療の対象になります。症状が強い場合は婦人科へ相談しましょう。
PMSは何日前から始まりますか?
一般的には月経開始3~10日前に症状が出現します。
PMSは年齢で変わりますか?
20代から40代に多くみられますが、個人差があります。
婦人科ではどのような治療を行いますか?
低用量ピル、漢方薬、鎮痛薬などが用いられます。
男性上司はどう対応すればよいですか?
医学的判断ではなく、まず話を聞く姿勢が重要です。
生理休暇は有給ですか?
法律上、有給にする義務はありません。就業規則によって異なります。
在宅勤務は有効ですか?
通勤負担を減らせるため有効な場合があります。
PMSと更年期は違いますか?
異なります。PMSは月経前に起こり、更年期症状は閉経前後にみられます。
PMSで休職することはありますか?
重症例ではあります。PMDDの場合には専門医受診が必要です。
企業は何から始めればよいですか?
まずは女性健康研修と相談窓口整備がおすすめです。
まとめ
PMSは多くの働く女性が経験する健康課題です。しかし、
- 我慢するもの
- 気の持ちよう
ではありません。適切な治療や職場の支援によって改善できる可能性があります。
企業がPMSへの理解を深め、
- 相談しやすい環境
- 柔軟な働き方
- 産業医や保健師による支援
を整備することで、女性が安心して働き続けられる職場づくりにつながります。
女性の健康支援は福利厚生ではなく、人的資本経営と健康経営を実現するための重要な経営戦略です。
出典
- 厚生労働省 働く女性の心とからだの応援サイト
- 厚生労働省 女性の健康づくり
- 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ
- 厚生労働省 職場における女性の健康支援の取組のポイント
- 厚生労働省 生理休暇制度について(労働基準法第68条)
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